「家に帰りたい」。入院中の患者さんがそう言いました。でも夫と息子2人では、介護ベッドをどこに置くかも、食事の段取りも、身の回りのことも、何もわからない状態でした。家族は「無理」と言う。でもよく話を聞いていくと、「何がわからないかもわからない」というレベルだったんです。
ケアマネジャー時代の忘れられない経験
一つ一つ問題を解決していって、最期の1週間だけでも自宅に帰ることができました。
このとき、普段から家のことを共有しておくことの大切さを痛感しました。
自分ごととして考えたとき、「もし私が倒れたら夫は大丈夫だろうか」と思いました。この記事では今すぐ夫に共有しておくべきことをまとめます。
妻が倒れると夫が弱る、は本当だった
これは偏見かもしれませんが、ケアマネジャーとして現場で感じてきたリアルとして書かせてください。
妻が先に病気になったり亡くなったりすると、夫が無気力になって弱ってしまうケースが多かったです。逆に夫を亡くした妻は、しばらくすると楽しみを見つけて元気に暮らしている印象が強いです。
平均寿命が女性の方が高いこともあり、妻が夫を看取るケースが多いですが、「男は仕事、家のことは妻」という時代を生きてきた世代ほど、妻がいなくなったときのダメージが大きいと感じます。
💬 現場で感じてきたこと
妻を亡くした夫が急激に弱っていく様子を何度も見てきました。体の問題だけでなく、日常生活のすべてを妻に任せていたことで、生きる段取りそのものがわからなくなってしまうんです。
「何がわからないかもわからない」状態になる前に
家族が「退院は無理」と言うので、何が無理なのかをよく聞いていったら、「何をどうすればいいのかわからないから無理」だったんです。
ケアマネジャー時代の経験より
「無理」という言葉の裏には「何がわからないかもわからない」という状態が隠れていることがあります。
家事・お金・医療・人間関係、妻が当たり前にやっていたことが夫には見えていません。だからこそ、元気なうちに少しずつ共有しておくことが大切です。
家事・家のこと
- 食事の段取り(よく使うスーパー・宅食サービスなど)
- 掃除・洗濯のやり方
- ゴミ出しのルール(曜日・分別方法)
- よく使う業者の連絡先(水道・電気・修理など)
- 家の鍵・設備の場所(ブレーカー・止水栓など)
お金まわり
- 銀行口座・通帳・カードの場所
- 毎月の引き落とし一覧(光熱費・保険・サブスク)
- 生命保険・医療保険の内容と連絡先
- 年金の受取口座・手続き方法
医療・緊急時
- かかりつけ医の名前・病院名・電話番号
- 服薬中の薬・病名・アレルギー
- 緊急連絡先(子ども・きょうだい・親戚)
- 健康保険証・マイナンバーカードの場所
人間関係・その他
- 子ども・親戚への連絡先と関係性
- 近所づきあいの状況
- 親の介護状況・連絡先
- 加入しているコミュニティ・習い事
夫に伝えておく方法3つ
①エンディングノートに書いておく
自分のもしものときの希望と一緒に、家のことも書いておけます。夫が見つけやすい場所に保管しておくことで、「どこに何があるか」一覧として機能します。
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②「もしものノート」として家族がわかる場所に置いておく
エンディングノートより気軽に始められます。普通のノートでもいいので、「このノートに全部書いてある」と夫に伝えておくだけで十分です。
③普段の会話の中で少しずつ共有する
改まって話すより日常の中で自然に伝える方が伝わりやすいです。「そういえばこの保険ってこういう内容なんだけど」と話題にするだけでも違います。私自身も夫と娘に時々話すようにしています。
💬 完璧にやろうとしなくていいんです。まず「通帳の場所だけ教えておく」くらいの小さな一歩から始めてみてください。
筆者が実際に夫・娘に伝えていること
私自身も、夫と娘にはもしものことを時々話しています。完璧にはできていないけれど、少しずつ共有するようにしています。
筆者より
通帳・保険証・重要書類の場所は伝えています。かかりつけ医・服薬情報も共有しています。
完璧にできていなくていい。「何かあったときに夫が最初の一歩を踏み出せる」情報を渡しておくことを目標にしています。
💬 大切なのは完璧なリストを作ることではなく、夫が「どこに聞けばいいか・何を確認すればいいか」がわかる状態にしておくことです。
今日からできる「夫に伝えることチェックリスト」
全部一度にやる必要はありません。まず〇をつけるところから始めてみてください。
今すぐやること(優先度:高)
- 通帳・銀行カードの場所を伝える
- 生命保険・医療保険の内容と連絡先を共有する
- かかりつけ医・服薬情報をメモして渡す
- 緊急連絡先リストを作って見える場所に貼る
時間があるときにやること(優先度:中)
- 毎月の引き落とし一覧を作る
- ゴミ出しルール・家事の段取りをメモする
- エンディングノートを書き始める
- よく使う業者の連絡先をまとめる
余裕があればやること(優先度:低)
- 親戚・近所づきあいの状況をメモする
- サブスク・習い事の解約方法をまとめる
- デジタル機器のパスワード管理を整理する
📋 このチェックリストと合わせて、当ブログの終活チェックリスト診断ツールもぜひ使ってみてください。※診断ツール記事へのリンクをここに挿入してください
まとめ
📌 この記事のまとめ
①妻が倒れたとき夫が「何がわからないかもわからない」状態になりやすい
②家事・お金・医療・人間関係を普段から少しずつ共有しておく
③エンディングノート・もしものノートを活用する
④完璧じゃなくていい、夫が最初の一歩を踏み出せる情報を渡しておくことが大切
あの患者さんが最期に自宅に帰れたのは、家族が一つ一つ問題を解決しようとしてくれたから。でも本当は、倒れる前から少しずつ共有しておけたら、もっと違う選択肢があったかもしれない。あなたにはまだ時間があります。
筆者より
このブログでは、看護師・社会福祉士・ケアマネジャーとして大学病院で相談業務を担った経験をもとに、終活・介護・実家じまいに関する情報を発信しています。気になる記事があればぜひ読んでみてください。
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